私が手にしたこの本には
まずは元夫自身が問題を自覚する事が
大事だと書いてあった。
自分自身の問題と向き合い
同じ方向を目指して歩いて行けるなら、
やり直せる方法がある事を知った。
これはもう最後の賭けだ。
正直もう、期待はなかった。
でも、終わらせるにしても
最後までやれるだけのことをしよう。
それは、私達夫婦と
なにより子供の為に。
子供は元夫の事が好きだった。
元夫は、自分が父親と仲良くないから、
子供とは何でも話せる友達の様になりたい。
と子供が産まれる前から言っていた。
産まれてからは、子育てで大変な部分は
私に全て任せてはいたが、家の中や外では
一緒に遊ぶ、子供の遊び担当になっていた。
子供の前で喧嘩をしてしまった時は、
元夫も、まだ理性が働いたのか、
そのまま外に出て行く事が多かった。
(外のコンクリートを殴り、手を腫らして帰ってきた事もあった)
気付けばなるべく子供の前では
喧嘩しないように、元夫に対して
私はもの凄く気を使う様になっていた。
そして、大事な事を話す為に
話し合いは、子供が寝た後にしていた。
意見の食い違いから
言い合いで終わるならまだ耐えられた。
でも問題は、元夫は手が出るという事。
壁や扉に穴が空いた時は、毎回私が
その日のうちに塞いでいた。
翌朝、だいたい子供が、
何か貼られていて、色が違う事に気づく。
「ここどうしたの?」
「んー?あぁそれね、
何かぶつけて壊れちゃったみたい。」
「そうなんだー。」
段々質問も増えるようになってきた。
「何をぶつけたの?」
「なんかねー、固いやつ」
「誰がぶつけたの?」
「んー誰だっけなぁ。」
誤魔化すのにも、もう限界がきていた。
子供の前で、最悪な事態になってしまう前に、
どうにかしなければ。
ずっとそう思ってきた。
問題は、私だけがそう思っている。
という事だった。
この本を読んだら、
少しは元夫に届くかもしれない。
考えるキッカケになるかもしれない。
本を読んでもらおう。
これがもう、私ができる
最後の歩み寄りだった。