壁掛け時計事件

子供がまだ赤ちゃんだった頃。

 

ある日元夫と、リビングのここの壁に

時計があったら便利だよね。

という話になり、壁掛け時計を買いに行った。

 

帰宅後

元夫がつけてくれるというので

私はキッチンでお昼の支度をしていた。

 

つけたよ。と言われ見ると

どう見ても、斜めっていた。

ちょっと斜めじゃない?と言うと、

元夫はまっすぐだけど?と言い放った。

 

いやいや、

どう見ても斜めっていた。

 

この時点で、

私が自分で直せば良かったのかもしれない。

 

私が手を伸ばしても届かない位置なのと

まだ料理中だったのを理由に

直してほしい。と元夫に

頼んでしまった。

 

これが大きな間違いだったのだろう。

 

元夫は、まっすぐだけど?

と不機嫌になりながら直し始めた。

(こういう素直じゃない所も嫌いだった)

 

私は直してくれている元夫の背後から

もっと右!あ、いきすぎ!もうちょい左!

などと言っていた。

 

すると、元夫は

ここでいーだろ!

うるせーな!

だったら自分でやれよ!

と、いきなりキレた。

 

私はビックリして、

そんなに怒る?!

もういいよ、私がやるから。

と呆れながら

脚立を取りに向かった。

 

すると元夫は私の至近距離にやってきて

私の首根っこを後ろからつかみ、

地面に向けてグッと押しつけた。

 

私はその勢いでバランスを崩し

地面に倒れた。

 

一瞬の出来事で頭が真っ白になった。

 

そして我に返り

なにすんの?!

と、そこにあったクッションを

元夫の足に投げつけた。

 

すると、元夫が凄い剣幕で

私の前に仁王立ちした。

 

やられる。

 

そう思った瞬間、

寝ていた子供が泣いて起きた。

 

元夫は

そのまま勢いよく外に出ていった。

 

この時、我が子が泣かなかったら

私は絶対暴力を振るわれていたと思う。

赤ちゃんを抱きかかえながら
心臓がバクバク波打ち手足が震えていた。

そして必死に考えた。

 

私、何か怒らせるようなことした?

ていうか、あんなに怒る?

 

曲がっている事を指摘する前に

お礼を言ったらよかったの?

 

もう頼み事はしない。

 

そんな風に決意までした。

 

今ならわかる。

例え言い方を間違えたとしても
不機嫌にさせる様な
態度をとってしまったとしても
暴力を振るわれていい人なんていない。

でもこの時の私はまだ、

元夫=短気

で済ませた。

 

首根っこを掴まれた時点で

既に暴力を振るわれていたのに

この日のことは自分の中で

 

なかったこと。

にした。

 

それは、夫婦関係を持続させる為。

 

子供も産まれたばかりで

離婚なんてまだ考えられなかった。

 

怪我をしたわけでも

アザができたわけでもなかったし。

と、この出来事を軽視することで

やり過ごした。

 

そして、

元夫=暴力を振るう人

という現実と向き合うのが

何より怖かったのだと思う。

 

今思い出しても、

夫婦なのに頼み事もできないなんて

おかしいだろ。

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